Work & GALLERY
*画像は「天然石の作品」からご覧くださいませ。
天然石の辞書(辞典)は「著者:飯田孝一先生」の書籍として現在までに13冊ほど関わらせて頂きました。
僕の作品としてもいずれも撮影から仕上げまで大変な作業っだったので思い入れのあるものばかりですが、代表作は「天然石のエンサイクロペディア」になるのかな。
出版社から最初に依頼を受けたのは2005年秋頃。当時は業界もデジタル移行期ではありましたが、僕もまだ半分くらいはポジフィルムでの撮影がメインでした。物撮りはブローニー(2B)でアオリの使える6×8カメラや4×5カメラで撮影することが多いのですが、この天然石の撮影は「各種原石からルース、カット石までの集合撮影がメインです。」と言われ、内容も「大きめの原石から2~3mmのカット石」まであるのだから4×5で行こうと打ち合わせを行いました。
しかし、セットからライティング、さらに大量になるであろうポラ時間を考えるとどう考えてもとても先に進まない気もして、ちょうど発売され導入していた「EOS R5」で行くかも検討しました。さらにタイミングよく僕が使っていた「ホースマンL4×5」に35mmカメラのマウントアダプターが出たので、編集者と検討し、A4印刷に耐えるのであればそれでも良いと言うことで、そこはまぁ正直ぎりぎりでしたが個人的にも初の4×5カメラにEOS R5を取り付けての本格デジタル撮影がこの天然石になりました。
とは言え、種別ごとの「原石からルース、彫刻、カット石」までかなりの数があり、ページ(見開き)に合わせた配置を微調整するだけでもかなりの時間がかかります。ピンセットや綿棒を駆使して位置や向きを調整。さらにライティングとの絡みも調整。ゴミに至っては微細な埃を可能な限り取りながらの撮影。何せブロアーかけようものなら向きも変わるし極小のカット石は吹き飛ぶ。さらにアオリを使っても物の大きさが違うのでピントが合わないことから深度合成用の撮影。輝度差もあるのでHDR合成用の撮影。光の角度によって現れるキャッツアイなど別途合成用撮影など後処理のための撮影カットもかなりの数になり、1カット撮影するのに数時間かかりました。さらに現像・加工処理も正確な色出し、階調、何よりも石が小さいために取りきれなかった星のような大量の微細な埃との戦い。終わってみればよくやったと思いますが、作業している間は「終わるのか?」と思うような大変な作業でした。
もちろん、どんな撮影でも準備からセッティング、ライティング、カメラワーク、仕上げまで、仕事では大変なのは当然です。
しかし、1カットにこれだけ撮影から処理までを「手を抜かず」に行うとかなりの時間がかかります。集合カットは撮影だけで1日に3~5カットでトータル撮影日数は1ヶ月近く。仕上げも各種合成処理に星屑のような埃取りで1カットに数時間、トータル数ヶ月かかりました(他の仕事もあるのでね)。これらの本一冊分の労力はかなりのもので、それもあって自分にとっても力作だと思っています。
全ての写真を掲載することは出来ませんが、いくつかとくに気に入っているカットを紹介させて頂きます。興味のある方はご覧ください。
画像(一部) - マリア書房創作市場・亥辰舎・エクスナレッジ・新星出版社掲載から
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