Adobe Camera Raw

Adobe Camera Rawの環境設定

CameraRawの環境設定は非常に大事で、初期設定やHDRの設定、何よりも作業色空間を含むPhotoshop展開用の作業・出力設定があります。

中身を勘違いされている方も意外に多いので、それぞれの項目を必ずチェックするようにしましょう。

目次

・環境設定の開き方

・環境設定:一般

(アピアランス:カラーテーマ、パネル、フィルムストリップ、ズームとパン、キーボードショートカット)

・環境設定:ファイル管理

(DNGファイル管理、JPEG,HEICおよびTIFFの処理)

・環境設定:パフォーマンス

(パフォーマンス、CameraRawキャッシュ)

・環境設定:初期設定

(HDRデフォルト、RAW初期設定

・環境設定:ワークフロー

カラースペース、画像のサイズ調整、シャープ出力、Photoshop[スマートオブジェクト設定] )

♦️CameraRawの環境設定♦️

多くのユーザーは初期設定やHDR設定で環境設定を開きます。また、作業設定として「ワークフロー(オプション)」は頻繁に開く項目だと思います。CameraRawを使いこなすには必須の部分ですので、正確に使いこなせるように今一度確認してみましょう。

🔴環境設定の開き方

BridgeのメニューもしくはCameraRawの環境設定(歯車)アイコンから開きます。

ショートカットは「command+K」

CameraRawのプレビュー中央下にある「ワークフロー」も環境設定内の項目ですので、こちらからも環境設定が開きます。

各項目も必要最低限の部分ですが、いくつか見て確認してもらえればと思います。


🔴環境設定:一般

①アピアランス:カラーテーマ

これは、ちょっとややこしいです。あまり設定されていない方も多いと思いますが、中身は知っておきましょう。

デフォルトは「初期設定」になっています。

初期設定は、Bridgeのページでも書きましたが、Beidge、Photoshopそれぞれの「UIカラー」に依存したカラーテーマになっています。

CameraRaw環境設定のカラーテーマで、CameraRawのUIのカラーを指定した場合は、Birdge、PhotoshopのUIカラーに依存せず、CameraRawのみのUIカラーになります。

CameraRaw独自の設定ですので、Photoshopの「CameraRawフィルター」のUIカラーも同様になります。

②パネル

編集パネル動作:

*編集パネルの各パネル名を右クリックすると表示されるメニューからも変更することが出来ます。

 

・シングルモード(単一)

これは、モニターの大きさに関わらず、いずれかの「ツールが一つだけ」開くモードです。

カラーを開いている状態で、「ライト」を開くと「カラー」は閉じます。

 

・レスポンシブモード

画面の大きさによっても変わりますが、その画面内で縦に同時に開けるだけの2つ〜3つのツールが開きます。

 

・マルチモード(複数)

選択した全てのツールが開きます。下の方にあるツールを操作するにはスクロールによる移動が必要になります。

◻︎コンパクトレイアウトを使用:

 

これは、編集パネルの各パネル名を右クリックすると表示されるメニュー下部にある『通常・コンパクト』でも切り替えられます。

 

スライダーの幅、上下の間隔が狭まり、見た目が少しコンパクトなレイアウトになります。

詳細ツールチップを表示:

 

各種ツールの概要を表示してくれます。必要に応じてチェックを入れて使用しましょう。

以前のターゲットツールを使用:

 

ターゲットツール(ショートカット:T)は、『カーブ(パラメトリックカーブ・ポイントカーブ)』と『カラーミキサーのH・S・L』を切り替えて、プレビュー上で、画像のカーブと色を直接補正する機能です。

 

新しい設定では、画像の補正色をイメージで視覚的に操作できるようになっています。

以前の表示に戻したい場合は、「◻︎以前のターゲットツールを使用」にチェックを入れます。

 

③フィルムストリップ

フィルムストリップとサムネールに付随する表示の設定を行います。

環境設定もしくは、プレビュー下の設定アイコンからフライアウトメニューの中で選択します。

方向:フィルムストリップの位置を左側縦か、下側を選択します。*プレビュー下のアイコンをクリックするとフィルムストリップを表示しないことも出来ます。

フィルム名を表示」「評価とカラーラベルを表示」:サムネイル下にそれぞれ表示するかを選択します。

「マウスポインターを合わせてコンテキストメニューのヒントを表示」:説明通りサムネール上にマウスポインターでの表示の有無を選択できます。

④ズームとパン、⑤キーボードショートカット

ズームとパン:

Lightroom同様に拡大時にハンドツールになる仕様にしたい場合はチェックを入れます。

キーボードショートカット:

現状はPhotoshopと同じ「取り消し」のショートカットですが、旧仕様で使いたい場合は、チェックを入れます。


🔴環境設定:ファイル管理

⑥DNGファイル管理:

DNGファイルの作成時などにxmpを埋め込むかを設定します。また、JPEGプレビューの設定なども行います。

⑦JPEG、HEICおよびTIFFの処理:

デフォルトの「設定を使用して...ファイルを自動的に開く」は、通常の画像データとして、Photoshopで開きます。

「サポート対象のすべての...を自動で開く」は、その画像をCameraRawで開きます。


🔴環境設定:パフォーマンス

⑧パフォーマンス:

デフォルトは「自動」になっていて、ユーザーごとのPCのグラボを選択しています。GPU処理の機能で問題が出る場合にこの機能を「なし」にする場合もあります。

⑨CameraRawキャッシュ:

通常はデフォルトのままで良いと思いますが、少ないと感じる場合は、任意で設定します。


🔴環境設定:初期設定

⑩HDRのデフォルト:「◻︎HDR写真(フォト)のHDR編集をデフォルトで有効にする。

 

これは、キヤノンを筆頭に「PQガンマのプロファイルや高輝度情報、広色域などHDR用の情報を持ったHDR画像」を処理するための設定で、前提条件はHDRモニターおよびMacのXDRディスプレイ上で作業を行う場合に使用します

HDRフォトの拡張子は、HEIFやAVIFなどになります。

*HDR合成を行ったDNGも有効です。

⑪RAW初期設定:

CameraRawで現像する際に最初からあてがう各種設定を決めておくものです。実際にはスタート時点で済ませておきたい各種調整項目をプリセットにして、それを初期設定とします。これは「Bridgeで画像を読み込んだ時点」であてがわれます。

♦️初期設定の作成♦️

初期設定の作成は、通常のプリセット作成と同じです。

未編集のRAWファイルを開き、事前にスタートで行っておきたい各種設定項目を調整します。

 

・調整が済んだら、プリセットタブから「新規プリセットを作成」で、調整した内容を全てチェックし名前を付けて、プリセットとして保存します。

プリセット名は任意ですが、初期設定と分かるようにしておくと良いでしょう。

 

・Raw初期設定の「グローバル:」がデフォルトでは「Adobe初期設定」になっていますが、プルダウンメニューから作成したプリセットを選択して初期設定にします。

 

・カメラ毎に初期設定を変えたい場合は、「◻︎特定のカメラのグローバル設定を上書き」にチェックを入れて、カメラを選択し、グローバル、初期設定を選択します。

 

*すでに調整すみのものには、後から設定した「(カスタム)初期設定」は反映されません。


🔴環境設定:ワークフロー

現像作業を行う上で一番大事な部分になります。

⑫カラースペース

カラースペース:

このカラースペースはCameraRawの作業色空間『プレビュー・ヒストグラム・色域外警告』および『Photoshopに展開する際の画像のカラースペース』を設定する場所です。

作業色空間は画像の色処理を行う上で非常に重要になります。詳しく次のページの「ワークフローとカラーマネジメント」をご覧下さいませ。

ビット数:

この設定は、「Photoshopに画像を展開」した際に、8bitで開くか、16bitで開くかを決めます。

稀に勘違いされた説明をされることもありますが、CameraRaw内の処理の設定ではありません。

⑬画像のサイズ調整

「◻︎サイズを変更して合わせる:」からPhotoshopに画像を展開する画像の大きさを決める項目です。

「画像のサイズ変更」はユーザーや仕事内容など『目的』によって変わりますが、細かな合成や処理がある場合は、サイズ変更なしの「カメラ最大サイズ」で展開する場合もあります。スナップなどで、仕上げ(納品)が元の最大サイズよりも小さい画像の時などは『長辺』指定する方が、全カット同じピクセル数になるので見る方も安定します。

解像度:

Photoshopに展開する画像の解像度を決めます。解像度は、「WEB、プリント、印刷」や「出力サイズ」で変わります。目的の解像度を設定します。

⑭シャープ出力

*これは、必要に応じて使用して下さい。Photoshop側で適切なシャープネスを行う場合は使用しなくても構いません。

シャープ対象:

RGBデータ処理として使う場合は「スクリーン」になります。プリント用の画像としてPhotoshopに展開する際は「光沢紙」や「マット紙」を選択しますが、どちらもエッジ処理を考えるとあまり適切なシャープネスになりませんので任意で弱めに使いましょう。

適用量:

Photoshopに展開する際に当てられるシャープの量を決めます。画像サイズによって効果も変わりますが、通常は「弱」少し大きめのサイズで「標準」が良いでしょう。

「シャープ出力」は、プレビューに反映されません!
なので、Photoshopに展開して見ないと「どのくらいの強さ」のシャープがあてがわれたのか結果でしか分かりません。また、強弱も3段階の上に、シャープネスは展開する画像サイズ(ピクセル数)によっても変わります。
どのくらいのサイズまでが「弱」、どのくらいが「標準」なのかをピクセル数を変えながら試して自身のデータを持つと良いでしょう。
*「書き出し」側も同様です。

⑮Photoshop

Photoshopに展開する際に、必ず『スマートオブジェクト』で開くのであれば、チェックを入れておくと「開く」ボタンが、「オブジェクトで開く」に変わります。任意でその都度オブジェクトで開きたい場合は、開くの横の∨ボタンから選択するか、「shift」を押すと「開く」が「オブジェクトで開く」に変わります。