AdobeCamera Raw
プロを中心に業界の方やアマチュアの方まで幅広く使われる「Photoshop」と、その中にプラグインとして搭載されている「RAW現像ソフト」の『Adobe Camera Raw』があります。
Lightroom Classicにも搭載されていますが、現在はそれらLightroom系のCameraRawの方が有名ですよね。
PhotoshopもLightroomもデスクトップ版から始まり、現在はiPhoenなどスマホ、iPad、WEB、モバイルアプリなど様々なツールがあります。そしてそのほとんどにCameraRawをベースとした画像処理ツールが搭載されています。
常に進化を繰り返す中で、デジタルの基本的な仕組みだけではなく、そのツール自体もより便利で高性能になっていきます。
このサイトでは、CameraRawの『使いこなし』や「こうやれば素敵な写真になる」などの説明は書きません。それ以前のCameraRawの機能についていくつか大事な部分の説明を書ければと思っています。
昔からPhotoshoopを使っているカメラマンやデザイナー、レタッチャーなど業界の方にとっては必須のツールで、使用しているユーザーも多くいます。しかしその一方でデバイスも増えた近年、Photoshopでは「CameraRaw」の機能をフィルターとして一部利用した『CameraRawフィルター(CRF)』やLightroomの機能としての認知度の方が圧倒的に多く、CameraRaw自体の認識に一部では偏りも出ています。
とくに多いのは「PhotoshopではRAWデータを1枚ずつしか現像できない」とか、「Lightroomに比べて大量の画像を効率よく現像できない」「Lightroomよりも性能が低い」などのコメントも多く見受けられます。それらの部分を解消するところを中心に書かせて頂きますが、より深く使いこなすためのポイントもいくつか書ければと思います。
まずは、Bridge同様に『CameraRaw』の歴史から簡単に見て頂き、本家CameraRawをあらためて認識してもらえればと思います。
*CameraRawとよく比較されますが、Lightroom Classicの現像モジュールは『CameraRaw』です。
CameraRawの歴史を簡単に紹介すると以下になります。
1990年 | Photoshop | 1.0リリース |
2002年 | Photoshop | 7.0リリース ファイルブラウザ登場(現Bridge) |
2003年3月 | Photoshop | 7.0.1リリース Adobe Photoshop Camera Raw 登場 |
2003年のこの時点では、現在の他の画像処理ソフト同様に『Photoshop 7』の中に、閲覧・セレクトのためのファイルブラウザと、RAW現像を行うためのCameraRawが一つのソフトとしてまとまっていました。
CameraRawのリリース当時は、カメラマン含めて業界の多くがその使い勝手の良さで盛り上がりましたが、その後のバージョンアップでさらに機能が進化して行きます。
* CameraRawのバージョンとLightroomのリリース、Photoshopに合流するまでの流れ
2005年5月 | Photoshop CS2に「Adobe Bridge」登場 |
2005年9月 | Adobe Camera Raw 3.2 リリース |
2006年1月 |
Adobe Camera Raw 3.3 リリース 「Adobe Lightroom β1」 MacOS用 |
2006年5月 | Adobe Camera Raw 3.4リリース |
2006年7月 | 「Adobe Lightroom β」Windows XP用 |
2006年9月 |
Adobe Camera Raw 3.5 リリース 「Adobe Lightroom β4」でPhotoshopに合流、名称を『Adobe Photoshop Lightroom』に。 |
2007年3月 | Adobe Photoshop Lightroom(日本語版)リリース |
2008年4月 | Photoshop CS3、Adobe Camera Raw 4.1、 Adobe Photoshop Lightroom1.4.1 リリース |
2012年4月 | Adobe Suiteを経て「Adobe Creative Cloud」を提供開始 |
2012年夏 | Adobe Photoshop Lightroomが、「Adobe Creative Cloud」に追加 |
2024年6月 | Adobe Camera Raw 16.4、 Adobe Lightroom Classic 13.4 リリース |
よく言われるのが、Photoshopには画像データの「管理・セレクト機能がない」ですが、当然ありません。Lightroomやその他のソフトにあるセレクトのためのブラウザ機能は、もとよりBridge側の機能になるからで、そこを比較対象に話すのは若干違和感を感じます。アプリが一つの中に収まっていないのは事実ですが、正確に比較するならこのようになると思います。
Photoshop、Bridge、CameraRawの関係性は、より正確には下のようになります。
それぞれに付属しており、両方同時に起動できます。これについては、「CameraRawの起動」で解説します。
*Lightroomとの大きな違いは、そもそものソフトウエアの仕組みの違いで、「カタログ」機能の違いとそれによるセレクト及び比較機能などの有無になります。