Adobe Bridgeを使おう

書き出し、ワークフロータスク

書き出しもBridgeでは、よく利用される機能です。

サイズ変更やカラースペースには条件がありますが、JPEGやTIFFなど複数の画像をまとめて『書き出し』が出来ます。

目次

・書き出し

サイズ変更:塗りつぶしについて

RAWからの現像処理補正について

・ワークフロー(タスク)


♦️書き出し♦️

JPEGやTIFFデータをリサイズして再出力(書き出し)出来ます。さらにRAW(CameraRawを起動せず)からJPEGやTIFFなども書き出す事が出来ます。

本データとは別に仮データとしてサイズの小さい画像が必要だったり、WEBやSNS用に小さめのデータで作りたいとかありますよね。

この機能はリサイズ、拡張子、カラースペース(JPEG以外)を選択、メタデータの有無を設定して書き出しを行えるツールです。

*画像データだけではなく、PDFなどからも「書き出し」を行える非常に便利な機能です。

ワークスペースの「初期設定」では、画面左下にあります。

ライブラリなど他のワークスペースで画面上にない場合は、メニュー「ウィンドウ」の中の『書き出し』で追加します。

まずは、簡単に「クイック書き出し」を使ってみましょう。

操作は簡単で、コンテンツにある「リサイズ」したい画像を選択(複数可)して、「クイック書き出し」にドラッグ&ドロップで入れます。

書き出し設定画面になりますので、それぞれの項目を設定します。

◎保存オプション

①保存先:書き出す先のフォルダを指定します。

②保存先サブフォルダー名:保存先のフォルダにさらに「書き出し用のフォルダ」を作成する場合にそのフォルダ名をしてします。

③競合を管理:通常はデフォルトのままで大丈夫です。目的があれば変更します。

◎画像形式「JPEG」の場合

④形式:JPEG

⑤拡張子:「.jpg 」「.jpeg」のどちらかを指定します。

⑥画質:圧縮率です。低いほど画像ファイルの容量も少なくなりますが、画像の劣化も伴います。高いと画像の品質が良いですが、ファイル容量も多くなります。

*注意:この「書き出し機能」で『JPEG』書き出しに関しては、カラースペースが『sRGB固定』です。元データがAdobeRGBであっても「sRGB-JPEG」で書き出されます。

*この『書き出し」機能だけの話ではありませんが、『画質とファイル容量』に絡む部分で再認識してみましょう。
画質に関しては、昔から言われる事がありますが、「画質=容量=品質」とした場合、Adobeの最高画質「12」の設定は容量が多いと言う話をよく耳にしますが、メーカーによっては最高画質で書き出すとそれよりもさらに上の容量になるものもあります。画質設定と実際の描画に関わるファイル容量はメーカーごとに変わります。Adobeの最高画質「12」よりも綺麗な画像で作成されるソフトもある以上、「12」より下の画質はすでに劣化していると考えることも大事です。
画像に求めるものは「品質(ファイル容量)」なのか「品質よりも取り回しの良いファイル容量」なのかも考えてみるもの良いかも知れません。

◎画像形式「TIFF」の場合

④形式:TIFF(拡張子:.tiff)

⑤圧縮:「なし」か目的によっては「ZIP」を指定します。

⑥カラースペース:目的に合わせてカラースペースを指定します。

*JPEG画像からの書き出しなど、書き出し元がsRGBの場合は、それより広いカラースペースを選ぶことは推奨されません。拡張子的にはAdobeRGBにもなりますが、色域が広がる分けではありません。
⑦ビット数:RAWから処理のためにTIFFに書き出すなど目的があれば「16bit」、そのまま使用であれば「8bit」が良いです。

◎画像のサイズ変更

⑧拡大・縮小画像:サイズ変更を%で指定します。

⑨サイズ変更:フィットの場合

・画像の幅を「長辺」「短辺」、「幅/高さ」から指定します。通常はアスペクト比そのままなら「長辺」を指定します。

・寸法は、目的の書き出しサイズを指定します。「ピクセル」のままで大丈夫です。目的があれば「インチ」「cm」を指定します。

・解像度もデフォルトの「pixel/inch」のままで行います。

🔴サイズ変更の『塗りつぶし』は、少し分かりにくいので詳しく書いておきます。

「塗りつぶし」は、分かりにくいですが、要は切り抜きです。

各画像の中心を基準に指定された幅やサイズに切り取って書き出せます。切り取る地点は移動できません。

画像が縦横混じっている場合もどちらかしか対応出来ませんので、横位置基準で指定した場合、縦位置もその範囲を切り取ります。

デザインで使用するときに便利に使えるかもと言うことのようです。

最後にメタデータを指定します。

全て指定したら書き出します。

説明すると長くなりますが、そこまで大変ではありません。何より「書き出し」時間も非常に早くとても便利なツールです。

🔴プリセットを作る

毎回「クイック書き出し」で各項目を指定するのが面倒な場合は『プリセット』を作成します。

目的に合わせてサイズ、ファイルの種類など細かくプリセットを作っておくと、そのプリセットに画像を入れるとすぐに書き出し開始ボタンを押すだけなのでより楽です。

プリセットは簡単でいいのですが、注意点としては「保存」場所が固定されることです。それ以外は設定からしなくて良いのでとても便利に使えます。

🔴RAWの色調(現像処理)補正について

RAWデータを『書き出し』処理する場合の「色」についてですが、まずBridgeでRAWファイルを読み込んだ際は、CameraRawの初期設定が自動的に当てがわれます。

『Raw初期設定』を作成していなければ、デフォルトの「Adobe 初期設定」になっています。

CameraRawで現像処理を済ましているRAWデータであれば、サムネールの右上に処理マークがあります。現像処理が済んでいるRAWであれば、CamwraRawのその「現像設定」を全て引き継いで『書き出し』されます。

*CameraRaw内で書き出すのと同じです。


♦️ワークフロー♦️

「ワークフロータスク」は「書き出し」の詳細版です。

基本的には「書き出し」の項目と同じ設定を行います。

左下の「ワークフローパネル」で、「カスタムワークフロー」や「新しいワークフローを作成」もしくは一番下の「+」から設定パネルを表示します。

まずは、フロー自体の「プリセット」を決めます。そして、「保存先」「サブフォルダー名」「競合の管理」を設定します。

ここまでは「書き出し」と同じです。

次に中央パネルの指示にもありますが、4つの項目を設定します。上から『ファイル名をバッチで変更』『形式を変更』『サイズ変更』『メタデータ適用』の各項目の設定を行います。

設定が終われば、上部の『保存』を押すとプリセットが完成します。

書き出しとの明確な違いは、『ファイル名をバッチで変更』機能があるかないかです。

どちらを使うかはユーザー次第ですが、分かりやすい保存場所とプリセットを作成しておくと便利に使えると思います。

どちらにせよ、まとめてリサイズなどはとても便利ですが、最大の弱点は「JPEG書き出し=sRGB」しか対応していないことです。仮に「AdobeRGB-JPEG」をリサイズで書き出そうとしても出力されるのは「sRGB-JPEG」になります。